HOME > 学部・学科 > 「臨床工学専攻」新スタート

医療ICT

Information and Communication Technology

ICT時代の医療人育成をテーマとする医療情報学科は、
常にその役割の重要性を認識し、
さまざまなチャレンジに取り組んでいます。
来春、新設する
「臨床工学専攻・臨床工学技士コース」は

そうした立場から医療界への貢献を行います。
そこで育成される人材にはすでに
医療関係機関より大きな期待が集まっています。

新時代臨床工学技士育成

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2017年4月新設臨床工学専攻

医療の現場で利用される機器のすべてに今、高度ICTが導入されています。これを使いこなす上で、医療とともにICTをしっかり理解しているか否かが、医療安全の確保及び医療サービスの提供に大きな差を生みます。まだ少ない、この2側面で充実した教育を、情報大の新コースは実現させます。

「臨床工学技士コース」が誕生

国家資格者である臨床工学技士を養成します

人の健康を守るために医療は常に新しい技術に注目し、その導入に取り組んでいます。現代医療は科学技術に支えられているといっても過言ではありません。医療機器を操作・保守・点検し、医療の質の向上と安全性を確保する専門医療職、臨床工学技士が果たす役割は大きくなるばかりです。
ニーズが高まる一方で、人材不足と言われる臨床工学技士を目指しましょう。医学・工学の基礎から医療機器の特性および生命倫理まで学ぶカリキュラムと、最新の設備・機器を整え、新たに「臨床工学技士コース」が誕生します。

本学・臨床工学技士コースの学び

本学・臨床工学技士コースの学び

カリキュラムは、4年終了時に受験する臨床工学技士国家試験に向けた科目と、本学ならではの情報教育科目、基礎教育科目などで構成されています。臨床工学に関する科目については、物理・数学・生物といった基礎科目から学習し、解剖学や生理学から臨床医学に関する医学系の科目、電気工学から医療機器につながる工学系の科目へと進みます。実験実習に関しては、学内での取り組みに続き、病院での臨床実習に移り、臨床工学技士への心構えと実践的経験を養っていきます。
情報教育は本学の特色であり、情報に関する見識を深めることにより、将来さらに予想される医療機器の情報技術の高度化へ対応するものです。基礎教養科目は語学や人文社会といった幅広い科目を学習することにより全人的な教養を備え、医療機関におけるさまざまな局面への対応力を養います。

〈高度ICT時代に需要高まるプロフェッショナル〉

注目される「臨床工学技士」

TEACHER'S MESSAGE

第一線の臨床工学技士として活躍できる人材養成を行います。

臨床工学技士コース 松田 成司准教授
臨床工学技士コース
松田 成司 准教授

臨床工学専攻は卒業時に臨床工学技士国家試験を受験し臨床工学技士として活躍する人材を養成します。臨床工学技士になるためには解剖生理学から詳細な臨床医学までの医学的な知識と電気電子から機械工学といった工学の知識が必要になります。当専攻ではこれらの臨床工学技士に必要な知識の学習の他に医療現場で必要となる豊かな人間性を養成するための教養科目や情報大ならではの情報科目を学習することにより、将来にわたり第一線の臨床工学技士として活躍できる人材養成を行います。
当専攻では物理・生物・化学といった基礎科目から学習をはじめ次第に専門的な工学的科目と解剖生理のような基礎医学の学習を始めます。2年3年次にはより専門的な医療機器に関する科目や専門的な医学科目が加わり、また実験実習も入ってきます。4年生では研究的な内容を取り込みながら国家試験に向けて学習していきます。

そもそも 臨床工学技士とは

臨床工学技士は今から約30年前(1987年)に法制化されました。かつては医師と看護師が医療機器を操作していましたが、科学技術の革新で医療分野の機器も急速に進化し、安全な操作と有効活用のためには相応の知識・技術を備えた専門職が必要との考えが自然発生的に起こり、それに応えて誕生しました。
最近では医療スタッフであるとともに、病院をマネジメントする総合管理職としての役割も期待されるようになっており、その存在感は大きくなるばかりです。

臨床工学技士の社会的使命

医療の近代化に伴い、厚生労働省では臨床工学技士の仕事に対する評価を見直しつつあり、診療報酬(臨床工学技士が医療行為の対価として国が支払うお金)の引き上げを行っています。これを受けてICU(集中治療室)がある病院など臨床工学技士の常駐を目指すところも増えています。今後、常駐=24時間体制となれば看護師のように2、3交代となって人材ニーズも高まるでしょう。

呼吸治療業務
肺の機能が低下し、呼吸が不十分な患者には呼吸を代行するための人工呼吸器が装着されます。この時、臨床工学技士は人工呼吸器が安全に装着されているかを確認したり、メンテナンス・管理等を行います。
血液浄化業務
体内にたまった老廃物などを排泄・代謝する機能が働かなくなった場合の治療法に、血液透析療法、血漿交換療法、血液吸着法などがあります。臨床工学技士は、これらの装置の操作を行います。
人工心肺装置
臨床工学技士は、心臓手術の際、心臓や肺の代わりにその働きをする装置(人工心肺)を操作・管理します。さらにその装置に関連して、多い時には数十台もの医療機器が同時に使われることもあり、これらすべての機器の操作や使用前の点検を受け持ちます。
手術室業務
手術室には、大小合わせて医療機器が数多く存在します。手術の内容により使用される機器は多種多様であり、手術が円滑かつ安全に行われるように臨床工学技士は、その手術室内の広範な医療機器の操作や事前の管理を行います。
医療機器管理業務
病院等で使用されるさまざまな医療機器をいつでも安全に使用できるよう保守・点検を行います。また、効率的で適切な運用ができるように医療機器を一括管理します。
集中治療業務
集中治療室では心臓や頭などの手術をした後の患者さんや、呼吸・循環・代謝などの機能が急に悪くなり、命にかかわる患者さんを収容して集中的に治療を行います。臨床工学技士は、人工呼吸器や持続的血液浄化装置などの生命維持管理装置の操作や管理を行います。
高気圧酸素業務
高い気圧の環境下で酸素を吸入させ、血液中の酸素を増やす高気圧酸素療法が、さまざまな疾患の治療に用いられています。臨床工学技士は、その際に使用する装置の操作・管理を行います。
ペースメーカ/ICD業務
不整脈を持病とする患者さんはペースメーカ(PM)や、植込み型除細動器(ICD)といった装置を手術で身体に植え込みます。臨床工学技士は、そうした場面で装置の管理や操作を行います。
心血管カテーテル業務
心臓カテーテル検査は心臓病の診断をするための検査方法であり、手術の適応、術式を決定する重要な検査です。臨床工学技士は検査一連の記録をするためにコンピュータを操作し、また検査室内にある装置の操作を行います。緊急時には補助循環装置やペースメーカなどを操作することもあります。

専門認定士/専門臨床工学技士

国家資格を取得した臨床工学技士に対し、
関連学会が独自に行っている学会認定資格制度があります。
臨床工学技士として高度で専門性の高い業務に従事できる
能力があることを示すもので、これを所持する人は、
高度専門医療職として、よりよい医療サービスを目指す病院等で
いっそう強く求められていくことが予測されます。

専門認定士(関連学会が認定)
  • 透析技術認定士
  • 体外循環技術認定士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 臨床高気圧酸素治療技師
  • 臨床ME専門認定士
専門臨床
工学技士(日本臨床工学
技士会が認定)
  • 血液浄化専門臨床工学技士
  • 不整脈治療専門臨床工学技士
  • 呼吸治療専門臨床工学技士
  • 高気圧酸素治療専門臨床工学技士

臨床工学専攻の理念

安全かつ高度な医療を継続して提供することは国民の健康維持および増進にとって重要な課題です。そのためには、医療機器の開発と高度化は欠かせませんが、同時にシステムの高度化、多様化が一段と進み、その運用、管理、安全に必要とされる知識と技術の修得が必須となっています。これらの課題を解決するために、当専攻では専門性の高い臨床工学・医学などの医療分野を学び、さらに本学独自の高度情報処理技術を修得し、医療安全に対する高い意識を持つ臨床工学技士の育成を目指します。さらに、医療の現場では専門的な知識のもと的確な判断と迅速な行動がなされるように主体的な行動力・的確な判断力・継続する学習能力・柔軟な思考能力を養う教育を実践し、今後の臨床工学分野をリードできる人材を育成します。

チーム医療に欠かせない臨床工学技士

チーム医療に欠かせない臨床工学技士

病院では医師や看護師や薬剤師、臨床検査技師、理学療法士、管理栄養士などさまざまな専門スタッフが働いています。そうした専門家たちがチームを組み、力を合わせて患者に対応するのが「チーム医療」です。近年、質の高い医療の実現を目指し、この取り組みは広く浸透しています。
臨床工学技士は、そのチームの中で医師とともにチーム医療を支えるメディカルスタッフであり、現在の医療に不可欠な医療機器のスペシャリストです。医療機器はICTの導入などによりどんどんハイテク化しており、これを安全に有効利用するには相応の専門知識・技術を備えた専門職が必要となっています。つまり、臨床工学技士の需要は増すばかりです。

臨床工学専攻・臨床工学技士コースのカリキュラム

専門教育科目

〈医学・医療科目〉
  • 医学概論
  • 臨床医学総論
  • 解剖学
  • 生理学
  • 病理学
  • 医療制度論
  • 医療倫理概説
  • 生化学
  • 看護学概論
  • 福祉総論
  • 臨床検査概論
  • 薬理学
  • 医用工学概論
  • 臨床医学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ
  • 循環器学
  • 呼吸器学
  • 麻酔学
  • 手術・集中治療学
  • 泌尿器学
  • 免疫学
  • 臨床工学関係法規
  • 公衆衛生学
  • 医療安全管理学
  • 栄養学
  • 食品化学
〈医療情報システム科目〉
  • 医療情報学概論
  • 医療統計学
  • 医療経営概論
  • 放射線医科学概論
  • 病院情報システム概説Ⅰ・Ⅱ
  • 医療経営戦略論
  • 医療マーケティング論
  • 医療経営演習
〈情報科目〉
  • ICT入門
  • コンピュータシステムⅠ・Ⅱ
  • プログラミング入門
  • JAVAプログラミング基礎演習Ⅰ・Ⅱ
  • Web技術基礎
  • システム開発基礎Ⅰ
  • ネットワークとセキュリティⅠ・Ⅱ
  • 情報社会論
  • 画像処理
  • メディアデザイン特別講義
  • データサイエンス
  • 医療情報特別講義
〈医用工学科目〉
  • 応用数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
  • 電気工学Ⅰ・Ⅱ
  • 臨床工学基礎実験
  • 機械工学
  • 物性工学
  • 材料工学
  • 計測工学
  • 医用治療機器学
  • 医用治療機器学演習
  • 生体計測装置学
  • 生体計測装置学演習
  • 医用機器システム管理学
  • 医用機器学実習
  • 生体機能代行装置学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ
  • 生体機能代行装置学実習Ⅰ・Ⅱ
〈演習科目〉
  • 臨床実習
  • ゼミナール
  • 卒業論文
〈学部横断科目〉
  • グローバルヘルスリテラシー
  • プロジェクトトライアル
  • BIとビッグデータⅠ・Ⅱ

臨床工学専攻・臨床工学技士コースで養成する人材

  • 豊かな人間性を備え、病者の痛みがわかる医療人
  • 多種多様な医療機器の原理を理解し保守管理ができる人
  • 人体の機能構造を理解し安全かつ効果的な医療機器の運用ができる人
  • 高度化・多様化する医療技術に対応できる基礎的知識と技術を有し、かつチーム医療の一員として円滑で効果的な医療を推進する能力がある人
  • 医療情報技術を駆使し安全に病院内における医療機器管理ができる臨床工学技士

国家資格取得までのルート

臨床工学技士として病院で働くには国家資格が必要です。国家試験を受験してこの資格を取る必要があり、それにはまず所定の臨床工学技士の養成所(大学、短期大学、専門学校)において厚生労働大臣の指定する科目を修得し、単位取得しなければなりません。その後、国家試験に合格すると免許を得られます。昨年の国家試験には全国で2,848名が受験し、合格率は83.2%でした。

国家資格取得までのルート

国家資格取得までのルート

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