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3つの教育・研究への取り組み

『情報』に特化した大学に期待される
3つの新たな教育・研究への取組みを、
全国に先駆けスタートしています。

北海道情報大学は、高度情報通信社会に求められる新しい学問領域の創造と、真に新しい時代を拓く有為な人材の育成を目指して平成元年4月に開学しました。以来、学生にはICTに関する高度な知恵とスキルを教授するとともに、物事の本質を見究める能力を磨いてきました。いち早く情報化社会の到来を予見し、人材育成にあたってきた本学には、その専門領域に関する膨大な蓄積があります。これを生かし次に取り組むべきは以下の3つ。社会的意議を全うする高等教育機関として先進、グローバル、高質な試みに挑んでいます。

教育と知識と情報

自ら問題を発見して解を出す能動的学修に向けてモチベーションアップを支援

現在の大学においては学生の多様化が進展しています。入学時より、将来教員になりたい、IT関係の仕事がしたい、証券アナリストになりたいなど明確な目標を持っている学生がいる一方、学ぶ目的を持てないまま入学する学生も増えています。学ぶ目的を持てない学生には、学ぶモチベーションを高める機会が必要で、大学は、その機会を提供する使命があると考えています。
本学が提唱する「主体的学び」は、そうしたモチベーションが十分ではない学生を変容させる仕組みを作り、能動的学修へと導くことを狙ったものです。

主体的学びへ導くためのICT環境モデル

文部科学省「私立大学教育研究活性化設備整備事業」に採択された、本学の上記「主体的モデル」取り組みは、「学生のモチベーションを高める仕組み」「学生参加型の授業モデル」「m-Learning環境」作りによって実現されています。

1.学生のモチベーションを高める仕組み

先輩の職場見学(動画)やシリアスゲームによる職業体験で将来探しのきっかけづくりができます。動画は10以上の先輩の活動実態を紹介しています。並行して教員の専門分野探索(動画)により本学で学べる内容を概観してもらい、これらを通じ学生自ら将来設計・学習プランを立てられるようにしています。

2.学生参加型授業の授業モデル

主体的学びに導くために(例:アクティブ・ラーニング、PBL等)具体的な授業方法も検討・試行しながら確立しています。教材としてアニメーション、動画、シリアスゲームなど学生のアテンション(興味、関心)を引きつける各種教材開発も進めており、ピギナーズセミナーから使用しています。

3.m-Learning環境

いつでもどこでも主体的に学びに取り組めるようiPadを1・2年生の学生全員に無償貸出するm(mobile)-Learnilng環境を整えています。教員の主体的学びのロールモデル(お手本)を提示するなど学生が具体的イメージを持ちやすくします。加えて課外活動(クラブ、委員会等)の実態(活動内容、学生の声など)をわかるようになることで、より豊かなキャンパスライフの実現にも役立ちます。
*1 ICTによるFD支援システム *2 本学独自のe-Learningシステム

現代社会の要望に応える教育を実践

日本は今「主体性」ある人材を強く求めています。自ら問題を発見し、考え、異なる考えを持つ人たちと議論し、チームでまとめていける人材です。わが国企業の経営陣に外国人登用が増えるのもこの裏付けと考えられます。
中央教育審議会の一昨年の答申は次のように書いています。「(中略)従来のような知識伝達・注入を中心とした授業から、教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切瑳琢磨し、相互に刺激を与える場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要である。」
本学は、こうした社会の要望に応えていきます。

食と健康と情報

世界に例のない地域発信型モデル『食の臨床試験システム』を構築
北海道を元気にする人材育成

わが国とりわけ北海道には、肥満や糖尿病など生活習慣病の予防及び健康増進に役立つ機能性成分を有する食材が豊富に存在します。これらの素材を使用した製品を科学的根拠に基づいて正しく評価し、真に疾病の予防と健康増進に役立つことを証明するためには、人を対象とした臨床試験、いわゆる『ヒト介入試験』が必要不可欠です。しかし、これまでは人を対象とした臨床試験には膨大な実施費用が必要とされ、多くの食品製造企業(とくに中小企業)はなかなか実施できずにいたのが現状でした。一方で、安全で信頼できる食品を求める消費者の意識は高まっており、商品の差別化を行う上でも、低コストで質の高い食の臨床試験システムの確立が急務とされてきました。

産・官・学の力で食品業界を変える

そこで本学が構築した「食の臨床試験モデル」は下図の通り。江別市や食品加工研究センター、江別市保健センター、江別市立病院と連携し、食資源の安全性・機能性の科学的根拠を「ヒト介入試験」で効果的に、低コストで実施することを可能にしました。これにより中小企業をはじめとする企業に広くその門戸が開く事になり、北海道・江別市は、食の付加価値を提供する新フィールドとなっています。

※「食の臨床試験モデル」はもともと文部科学省イノベーションシステム整備事業
「さっぽろバイオクラスター”Bio-S”」=北海道を健康科学産業の基地に=という
施策の一環として立ち上がったものです。 江別市は、農業や酪農業が盛んで、
北海道立総合研究機構食品加工研究センターや大学もあるなど条件がそろって
いることから選定されました。

地域の人と企業にメリットを生む仕組み

食の臨床試験システムを支えるのは地域住民ボランティアです。地域住民ボランティアには、試験に関する十分な説明がなされた上、健康チェックを行いながら医師の監督のもと試験を行います。企業側は継続して試験を行うことができる地域住民を被験者とすることでより質の高い試験を行うことができ、地域住民ボランティアは、自身の健康チェックや健康増進に役立つ機会が提供されるという双方にとってメリットの高い仕組みです。
加えてICTに長じた本学ではボランティアの個人情報や臨床データの管理システムも構築、試験プロトコル作成の受託から臨床試験データ整理までワンストップで実施できる当モデルは、世界的にも例のないものです。

地元企業の強い期待・広がる就職先

上記システムをより発展させる課題は人材育成といわれます。北海道には生産から開発・流通・販売まで全国上位を誇る多数の食品関連企業がありますが、これを発展させる知識を備えた人材は少数であり、競争に勝ち抜くために企業はそうした人材を強く求めています。つまり道内における就職環境は万全。本学にはすでに食・健康・医療と、それをつなぐ情報に強い人材へ高い期待が寄せられています。

宇宙と環境と情報

JAXA・SEDと連携し、ロケット開発から惑星探査まで日本の宇宙事業の未来に貢献

宇宙開発は現在、経済を牽引する産業として世界中で期待されています。日本では2007年にH-IIAロケットの開発・打ち上げが民間移管されたのをきっかけに、宇宙開発とそこから派生する研究・技術開発が加速しています。人工衛星や惑星探査機を用いた宇宙や地球環境の観測・監視・測位は、宇宙地球環境の実態把握だけでなく大規模災害への迅速な対応などさまざまな場で利用されます。当然、海外諸国もしのぎを削る中で、この先、さまざまな分野で応用力を誇ってきた日本が宇宙開発とその利用の分野でもリーダーシップを維持しなくてはいけません。

高度研究にチャレンジしつつ新たな可能性を探る

本学では、こうした宇宙時代を支える人材育成に特化したコース(システム情報学科・宇宙情報システムコース)を昨年より設置しています。宇宙や地球の環境情報の高度利用や、高品質高信頼性システムの開発といった直接的な研究に取り組みつつ、衛星測位など宇宙に関連する事業で必要とされる知識と技術を学んでいます。

国内初、宇宙開発の現場に携わる研究者・技術者が講義

本学が所属するeDC(電子開発学園)グルーブに宇宙技術開発(株)(SED)(*2)という会社があり、人工衛星の打ち上げなど航空宇宙開発の研究・開発機関を行う宇宙航空研究開発機構(JAXA)(*1)とも技術交流があります。
宇宙情報システムコースでは、こうした背景を生かし、SEDやJAXAと練り上げたカリキユラムを導入しています。また、そこから直接、講師として技術者などを派遣していただき、さまざまな講義も行っています。
宇宙開発において情報通信技術(lCT)は必須の要素として、宇宙開発の重要な位置を占めています。本学は、それに全力で応える体制を整えています。

宇宙のビッグデータにICT人材の活躍の場

宇宙へのかかわり方は一元的ではなく、必ずしも物理や数学など科学に抜きん出ていなければならないわけではありません。宇宙開発により得られる大量・多種のデータ(=ビッグデータ)を利用した力ーナビゲーションやゲーム、気象予測、環境把握、資源探査、観光情報、スマートフォンのアプリなど発想力や創造力、表現力が生きる仕事も数多くあります。このビッグデータを多くの企業が活用する中で、その付加価値を創造するICT人材の活躍の場が広がっています。