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2026.10.17
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松坂一輝さん(情報メディア学科・4年)が、激しくぶつかり合うコマを追い続ける画像追跡技術をiMec2026で発表

「第31回 知能メカトロニクスワークショップ(iMec2026)」(2026年9月15日~16日、宮古島市未来創造センター)で、本学情報メディア学科4年の松坂 一輝(マツザカ カズキ)さん(藤原孝幸研究室)が「激しい挙動変化を伴う動的環境におけるマルチモデル優先統合と運動一貫性によるロバスト複数物体追跡」について口頭発表を行い、優秀賞の次点に相当する評価を受けました。

この研究は、「対戦型のコマ(ベーゴマ)」(以下、「ベーゴマ」)のように衝突や跳ね返りで激しく動く物体を、スマートフォンで撮影した動画から見失わずに追跡する技術です。

学外での学会発表は今回が初めてだった松坂さんに、研究の中身と発表を終えての思いをお聞きしました。

ぶつかり合うコマを、スマホの動画で追い続ける

動画の中の物体を追う「追跡」では、それまでの動きから次のフレームで物体がどこにあるかを予測し、予測に最も近いものを同じ物体とみなします。松坂さんがベースにした既存の追跡手法「OC-SORT」は、物体が一瞬隠れても前後の進行方向から位置を推測できる優れた手法ですが、基本的にはある程度予想できるスムーズな動きを前提としています。
ところがベーゴマのコマは、衝突して跳ね返ったり急に加速したりするため、予測とは違う方向へ大きく動きます。そこで松坂さんは、動く方向だけでなく実際の距離の近さも判定に加え、跳ね返った後も同じコマだと認識できるようにしました。対戦では同じ種類のコマを使うこともあるため、見た目ではなく動きで区別する必要があります。

もう一つの工夫が「マルチモデル」です。高速で回るコマは動画ではブレて、伸びた形に写ります。画像の中からコマを見つける「検出器」を、ブレた画像用とブレていない画像用に分けて用意し、状況に応じて切り替えることで、コマの位置をより正確にとらえられるようにしました。
高速カメラなど特別な機器を使わず、スマートフォンで撮れる動画を対象にしているのも特徴です。既存の手法では途切れていた場面でも、現在は2つのコマをほぼ追跡し続けられるようになっています。卒業までは、パラメータの最適化に取り組む予定です。

「撮るだけで、軌跡やエフェクトの付いた動画に」

――この研究に取り組んだきっかけを教えてください

研究室紹介で、藤原先生がゲーム画面の中から珍しい「色違い」を見つける研究を紹介していて、面白そうだと思ったのが始まりです。カメラでの検出や追跡に興味を持ち、研究室を選びました。
ベーゴマの追跡はもともと先輩が取り組んでいた研究です。まだ最後まで終わっていなかったので、自分が引き継いで最後までやってみたいと思いました。

――最終的にはどんなことを目指しているのですか

みんなが持っているスマートフォンで対戦を撮り、その動画を通すだけで、コマの軌跡や衝突のエフェクトを自動で付けられる。
YouTubeでベーゴマの動画を何本も見ましたが、撮影したままのものが多く、編集したいという声もありました。プロでなくても、アニメのような演出を簡単に付けられたらいいなと思っています。

――苦労した点はありますか

本格的に研究をするのが初めてだったので、最初は何をしたらいいのか分かりませんでした。先輩のプログラムを理解するところから始めて、藤原先生の話を聞きながら少しずつ進めてきました。
学外に提出する論文を書くのも初めてで、準備にはかなり時間がかかりました。3年の終わりから4年の初めごろには、もうずっと取り組んでいました。

初めての学会で得た自信

――発表はいかがでしたか

発表10分、質疑応答5分の口頭発表でした。参加者は修士や博士の方が中心で、学部生はあまりいなかったようです。その中でも次点相当の評価を得られたのは、自信になりました。
ベーゴマは皆さんの印象に残ったようで、懇親会でも「ベーゴマの方」と声をかけられたりもしました(笑)

学会で発表をする松坂さん

――学会に参加して得たものは何ですか

行く前はとても緊張していましたが、実際に出てみて、学会がどういうものかが分かり、自信がつきました。他大学の発表を聞けたのも勉強になり、刺激になりました。
懇親会では、教授や修士・博士の先輩方、企業の方とも話すことができました。来年から大学院に進みたいと考えているので、先輩方の話を聞けたのは嬉しかったです。

――研究の面白さはどんなところですか

研究は思うように進まないことが多いです。その中で、今までできなかったことが目に見えてできるようになったり、今回のように他の人から評価してもらえたりすると、やってよかったなと思います。

――今後の目標を教えてください

まだベーゴマでしか試せていませんが、跳ね返ったり急に方向を変えたりするもの、たとえばスポーツのボールの追跡などにも活かせるのではないかと考えています。将来は、一般の人が使えるものを開発したいです。

――後輩や受験生にメッセージをお願いします

私自身、コロナ禍でIT化が進むのを見て本学に入学しましたが、入学時には、具体的に何をやりたいか決まっていたわけではありませんでした。それでも研究室で面白いテーマに出会い、先生に誘っていただいて学会に出たことで、自信をつけることができました。機会があれば、ぜひ学会や発表に挑戦してみてほしいです。

松坂一輝さん

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